金貨を出すロバ
むかし、まずしい若者が、家族と小さな家に住んでいました。ある日、若者は旅の途中でふしぎなロバをもらいました。
「この言葉を言うと、ロバは金貨を出します」と、ロバをくれた人は説明しました。若者が教えられた言葉を言うと、本当にロバの下に金貨が何枚も落ちました。
若者は大よろこびで、家へ帰る旅を始めました。夜になると、一けんの宿に泊まりました。若者は部屋でロバに言葉をかけ、旅のお金を出してもらいました。
ところが、宿の主人がドアのあなから、その様子を見ていました。夜中、若者がねた後で、主人はふしぎなロバを小屋から出しました。そして、よく似たふつうのロバを代わりに入れました。
若者は何も知らず、次の朝、そのロバをつれて帰りました。家族を集めて、「もうお金の心配はいりません」と言いました。しかし、教えられた言葉を何度言っても、ロバは金貨を出しませんでした。
若者はだまされたと気づきました。ロバをくれた人の所へもどって、何が起きたのか話しました。その人は、今度は小さなふくろをくれました。中には一本のぼうが入っていました。
その人は教えました。「ぬすむ人がこのふくろを取ったら、『ぼうよ、出て来い』と言ってください。」
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若者は前と同じ宿へ行きました。わざと、ふくろをテーブルの上に置いてから、ねたふりをしました。宿の主人は、またふしぎな物だと思い、そっとふくろを取りました。
若者が「ぼうよ、出て来い」と言うと、ぼうがふくろからとび出しました。ぼうは主人を追い、足や背中をたたきました。主人がにげても、ぼうは止まりませんでした。
「やめてくれ!」と、主人はさけびました。
若者は言いました。「わたしのロバと、ほかにぬすんだ物を全部返してください。」
主人はぬすんだことをみとめ、ふしぎなロバとすべての物を返しました。若者が「ぼうよ、もどれ」と言うと、ぼうはふくろに入りました。
若者は本当のロバをつれて家へ帰りました。その後、家族はロバの金貨を大切に使いました。宿の主人には自分の物だけがのこり、ぬすんで得ようとしたお金は何も手に入りませんでした。
Comprehension Quiz
宿の主人はふしぎなロバを何と取りかえましたか。
ふくろから何が出て来ましたか。
若者の家族は最後に金貨をどうしましたか。
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