舌切り雀
むかし、ある村に、やさしいおじいさんと、すぐ怒るおばあさんが住んでいました。おじいさんは、庭に来る小さなすずめを大切にしていました。すずめをちゅん子とよび、毎朝、米を少しあげました。
ある日、おばあさんは、洗った服に使うのりを作りました。おばあさんが外へ出ている間に、ちゅん子が家の中へ入りました。ちゅん子は白いのりを食べ物だと思い、少し食べてしまいました。
おばあさんはひどく怒り、ちゅん子をつかまえました。「わたしののりを食べましたね」と言い、すずめの舌を切りました。きずついたちゅん子は、家から山へ飛んで行きました。夕方に帰ったおじいさんは、その話を聞いて悲しくなりました。
つぎの朝、おじいさんは、ちゅん子をさがしに山へ入りました。長い間歩いたあと、一羽のすずめが道を教えてくれました。山のおくには、すずめたちが住む小さな宿がありました。
ちゅん子は元気になり、宿の入り口でおじいさんを待っていました。おじいさんは、元気なちゅん子を見て安心しました。すずめたちはごはんを出しました。そして、歌っておどりました。
夕方、おじいさんは村へ帰ることにしました。ちゅん子は、おみやげに二つのつづらを見せました。一つは大きくて重く、もう一つは小さくて軽いつづらでした。おじいさんは山道を歩くため、小さいつづらを選びました。
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家に着くと、おじいさんはおばあさんといっしょにつづらを開けました。中には、金貨や美しい布が入っていました。おばあさんは宝物を見て、大きいつづらもほしくなりました。
つぎの日、おばあさんは一人で山の宿へ行きました。ちゅん子に会っても、あやまりませんでした。「大きいつづらをください」と言いました。すずめたちは、前と同じ二つのつづらを見せました。おばあさんは、大きくて重いつづらを選びました。
ちゅん子は「家に着くまで開けないでください」と言いました。しかし、おばあさんは、山道のとちゅうで中を見たくなりました。つづらを地面に置き、ふたを少し開けました。その時、中からへびやおばけが次々に飛び出しました。
おばあさんは大きな声を上げ、村へ向かって走りました。へびやおばけは山のおくへ消えましたが、宝物は一つも残りませんでした。おばあさんは、つかれたすがたで家へ帰りました。
その後、おばあさんは、庭に来るすずめを追いませんでした。ちゅん子は村へもどりませんでしたが、山で元気にくらしました。おじいさんは、ときどき米を庭にまきました。山から来たすずめが、その米を食べました。
Comprehension Quiz
ちゅん子は、何を食べてしまいましたか?
おじいさんは、どちらのつづらを選びましたか?
おじいさんのつづらには、何が入っていましたか?
おばあさんが山道でつづらを開けると、何が出ましたか?
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