アーサーと石の剣
昔、ブリテンの王が亡くなったあと、国には新しい王がいませんでした。多くの騎士が王になろうと争い、国は乱れていました。
魔法使いのマーリンは、大司教と相談しました。そして、クリスマスの日に、国中の領主や騎士をロンドンの大きな教会へ集めました。
礼拝が終わると、教会の庭に不思議な物が現れていました。大きな石の上に鉄の台があり、その中に一本の剣が深く刺さっていたのです。金色の文字で、こう書いてありました。
「この剣を抜く者こそ、生まれながらの正しい王である。」
力の強い騎士たちが次々に試しました。しかし、剣は少しも動きませんでした。そこで、新年の日に武術の大会を開き、もっと多くの騎士に試させることになりました。
その大会には、エクター卿と息子のケイが来ていました。エクター卿に育てられた少年アーサーも一緒でした。アーサーは、自分が王の家に生まれたことを知りませんでした。
大会が始まる前、ケイは自分の剣を家に忘れたことに気づきました。
「アーサー、急いで取ってきてくれ。」
アーサーは馬で家へ戻りましたが、戸には鍵がかかっていました。家の人はみな大会を見に出かけていたのです。
「兄さんを剣なしで戦わせるわけにはいかない。」
アーサーは教会の庭の剣を思い出しました。石の前へ走り、柄を握ると、剣は簡単に抜けました。けれども、その意味を知らないアーサーは、ただケイに剣を渡しました。
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ケイはすぐに、有名な石の剣だと気づきました。初めは自分が抜いたように見せようとしましたが、父に本当のことを問われ、アーサーから受け取ったと認めました。
三人は教会へ戻りました。エクター卿が剣を石に戻し、まず自分で引きました。剣は動きません。次にケイが力いっぱい引きましたが、やはり抜けませんでした。
最後にアーサーが手をかけました。すると、剣はまた軽く抜けました。
エクター卿とケイは、その場でアーサーの前にひざまずきました。
「どうして父上と兄上が、私にひざまずくのですか。」
エクター卿は、アーサーが亡き王の息子であることを明かしました。そして、この剣を抜けるのは、王になる権利を持つ者だけだと説明しました。
それでも、すべての領主がすぐに少年を王と認めたわけではありません。人々は別の日にも集まり、何度も同じ試しを行いました。どれほど強い騎士でも剣を抜けず、アーサーだけが毎回抜きました。
ついに、身分の高い人も町の人も、その場で事実を見ました。人々はアーサーの前にひざまずき、彼を王と認めました。
アーサーは大司教の前で、国のすべての人に公平な王になると誓いました。こうして、何も知らず兄の剣を探していた少年は、ブリテンの王になったのです。
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