神さまがゆるすなら
ある朝、農家の男が、くだものを入れた大きなかごを持って町へ向かいました。空は明るく、町までの道もよく知っていました。
途中で、一人の旅人に会いました。旅人は、男の重そうなかごを見て聞きました。
「今日は町で何をするのですか。」
農家の男は答えました。「町でくだものを全部売ります。そのお金で布を買います。そして、暗くなる前に家へ帰ります。」
旅人は言いました。「神さまがおゆるしになれば、そうなるでしょうね。」
農家の男は笑いました。「町はすぐそこです。天気もよいし、道も知っています。神さまの助けはいりません。」
男は旅人と別れ、早く歩きました。しかし、少し先の道は、前の日の雨でぬれていました。
男はぬれた石の上で足をすべらせました。男は前にたおれ、かごも地面に落ちました。くだものは道のあちこちへ転がりました。
いくつかのくだものは、道の外へ落ちて見えなくなりました。いくつかは、かごの下でつぶれました。のこったくだものには、どろがつきました。
男は急いでくだものを拾いました。けれども、かごには小さな穴が開いていました。歩くたびに、くだものが一つずつ落ちました。
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男は何度も止まり、落ちたくだものを拾いました。そのため、町に着くまで長い時間がかかりました。
町に着いた時、太陽はもうしずみ始めていました。くだものを買いに来た人たちは、ほとんど家へ帰っていました。
男は道のそばに立ち、のこったくだものを売ろうとしました。しかし、くだものはつぶれたり、どろでよごれたりしていました。だれも買いませんでした。
男には布を買うお金がありません。かごには、よごれたくだものが少しのこっているだけでした。男はそのかごを持ち、家への道を歩き始めました。
帰り道で、朝の旅人にもう一度会いました。旅人は聞きました。「今度は、どこへ行くのですか。」
農家の男は足を止めました。今度は笑いませんでした。
「家へ帰ります。神さまがおゆるしになれば、今夜、家に着くでしょう。」
次の朝、男はかごの穴を直しました。空と道をよく見ました。それから、くだものをていねいに入れ、仕事を始めました。
Comprehension Quiz
農家の男は、くだものを売ったお金で何を買うつもりでしたか。
男が町へ着くのがおそくなったのはなぜですか。
次の朝、男はまず何をしましたか。
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