ディック・ウィッティントンと猫
むかし、ディック・ウィッティントンというまずしい少年がいました。ディックは、ロンドンではだれでも豊かになれるという話を聞き、歩いて町へ向かいました。
しかし、ロンドンの道に金は落ちていませんでした。ディックには食べ物も、ねる場所もありません。何日か苦しい時間をすごした後、一人の商人がディックに仕事をくれました。
ディックは商人の家で働き、小さな部屋をもらいました。ところが、部屋にはネズミがたくさんいました。ネズミは夜中に走り、ディックの食べ物を取りました。
ディックは自分が持っていた一まいのコインで、一ぴきの猫を買いました。猫はすぐにネズミをつかまえました。ディックはやっと静かにねられるようになりました。
ある日、商人は大きな船を外国へ送りました。家で働く人たちは、自分の物を一つずつ船にのせ、外国で売ってもらうことができました。
ディックには猫しかありませんでした。大切な友だちでしたが、ディックは猫を船にのせました。「元気で帰って来てください」と言って、船を見送りました。
その後、商人の家での生活がつらくなり、ディックはロンドンを出ようと決めました。町の外まで歩くと、教会のかねが鳴りました。
ディックには、かねの音がこう言っているように聞こえました。「もどりなさい、ウィッティントン。いつかロンドンの市長になります。」
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ディックはその言葉を信じ、商人の家へもどりました。
そのころ、船は遠い国の王の宮殿に着いていました。宮殿にはネズミが多く、王たちは食事を守ることができませんでした。
船の人がディックの猫を部屋に入れると、猫は次々にネズミをつかまえました。王と家族は大よろこびでした。ネズミを取る猫を見たことがなかったので、たくさんのお金を出して猫を買いました。
船がロンドンへ帰ると、商人は猫のお金を全部ディックに渡しました。ディックは急に豊かになりましたが、仕事をやめませんでした。
大人になったディックは立派な商人になり、商人の娘とけっこんしました。自分がまずしかった時を忘れず、食べ物や家のない人たちを助けました。
そして後に、教会のかねの言葉のように、ディックはロンドンの市長になりました。
Comprehension Quiz
ディックは一まいのコインで何を買いましたか。
遠い国の王はなぜ猫を買いましたか。
ディックは後に何になりましたか。



