魔法の枕
むかし、まずしい若者が旅をしていました。お金持ちになり、国の大切な仕事をしたいと考えていました。
ある日、若者は宿で休みました。主人が夕食の穀物を火にかける間、年を取った旅人が若者に聞きました。「何がほしいのですか。」
「大きな家と高い地位がほしいです。今の生活では、何もできません」と、若者は答えました。
旅人は小さな枕を出しました。「夕食ができるまで、これで休みなさい。」
若者が枕に頭をのせると、すぐにねむりました。
夢の中で、若者はけっこんし、仕事で多くのお金を得ました。大きな家で、妻や子どもたちと食事をしました。
ある日、若者は国のお金を数える仕事をもらいました。立派な服で仕事へ行くと、人々が頭を下げました。
しかし、一人の役人が若者をねたみました。その役人は王の金貨をぬすみ、若者の部屋にかくしました。
兵士たちは金貨を見つけ、若者をつかまえました。若者が何度「わたしの物ではありません」と言っても、だれも信じませんでした。仕事と家を取られ、家族といっしょに遠い村へ送られました。
何年か後、その役人はまた王の金貨をぬすみました。今度は、一人の使用人が、役人が金貨を自分の箱にかくすところを見ました。
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使用人は兵士に話しました。兵士が箱を開けると、王の金貨が出てきました。役人はにげられなくなり、前の金貨も自分が若者の部屋にかくしたとみとめました。
王は若者の家族を村からよびもどしました。若者と妻と子どもたちは、みんないっしょに町へ帰りました。家と仕事も返してもらいました。
子どもたちはもう大人でした。家族は、また同じ家で食事をしました。
さらに長い年月がたちました。若者は歩く時につえを使う年になりました。ある夜、家族がベッドのまわりに集まりました。若者は目を閉じました。
そのしゅんかん、若者は宿で目を開けました。主人がなべに入れた穀物は、まだできていませんでした。夢の中では何十年もたったのに、ほんの短い時間でした。
年を取った旅人が聞きました。「大きな家と高い地位を手に入れましたか。」
若者は答えました。「はい。でも、もう十分です。家へ帰ります。」
若者は本当の家へ帰りました。次の朝、家のこわれた戸を直しました。それから畑で家族を手つだいました。
毎日仕事をし、少しずつお金をためました。大きな家や高い地位だけを求めませんでした。家族との毎日の生活を大切にしました。
Comprehension Quiz
若者は夢の初めに何をほしがりましたか。
若者が宿で目を開けた時、夕食の穀物はどうなっていましたか。
本当の家へ帰った若者は何を大切にしましたか。




